仕組みづくりとリズムづくり

業務の仕組み化の文脈において、たびたびリズムをつくることの重要性が語られる。スプリント開発もそうだろう。ぼくはそれをよくアーキテクチャの文脈で捉えている。

アーキテクチャの指向性がつくるリズム アーキテクチャは指向性を持つ。以下でネットワークの指向性として述べたことである。

システムアーキテクチャをネットワークとして考える|hibara428
ぼくはアーキテクチャなる概念が好きでそんなことばかり言っているのだが、とてもじゃないが伝わりやすい概念ではない。IT開発の現場においてむろん重要な概念であるし、エンジニアに限らず伝わると良いのにとよく考えているので、つらつらと書いてみる。 アーキテクチャとネットワーク アーキテクチャを単純に訳すと"構造"ということになる。検索すればいろいろな定義が見つかるわけだが、ぼくがアーキテクチャという語で多くの場合にイメージすることはネットワークである。 ある要素を点として、点を線でつなげていった図をイメージすればよい。人同士の繋がりを表現すれば人のネットワークであるし、システム間の繋が
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システムアーキテクチャをネットワークとして考える|hibara428

ネットワークに現れるコスト構造が、アーキテクチャの指向性、つまり構成要素やシステム全体の向かう方向性を決定づける性質を持つ。アーキテクチャを設計する観点ではその構造が持つ意志を調整することがポイントである。

このとき、アーキテクチャの指向性なるものは現実のワークフローにおいてはリズムのような形で現れると考えている。ネットワークはそのコスト構造から疎密性をつくる。疎密性は音でいうところの周波数の変化=波をつくり、規則性のある周波数変化はリズムをつくる。

ぼくは素晴らしいシステムは美しいリズムを持つはずだと思っている。それはアーキテクチャを貫く指向性が誰しもにとって明白であり、それが小気味よい繰り返しによって構成されていることを示す。

システムをつくってリズムをつくる

音楽がそうであるように、複雑だったりシンプルだったり様々なリズムの良さがある。きれいな旋律も良いが、ノイズも味である。またいつも同じリズムでは飽きてしまうところもある。

どんなものが好みかはともかくとして、まあどうせ仕事のような作業をしないといけないのであれば、楽しくなっちゃうようなリズムが良いのは確かなのではないか。なんか楽しんでやっていたら、なんかうまいこといく。そんなリズムを設計したい。

アーキテクチャ設計は目的・指向性の達成を目指して、ワークフローのリズムを調整しようとする。あるいは既にあるワークフローのリズムがアーキテクチャを勝手に規定している。そんな関係にあると考えている。

All You Need Is Rhythm?

と、いろいろなことでよく思う。知らんけど。

  • 小説とか漫画とか映画とか演劇とかゲームとかの本質的な違いって何?→リズム
  • なぜ音楽が人の気持ちを高ぶらせたり沈ませたりできるか?→直接的にリズムだから
  • 良いコミュニケーションとは何か?→良いリズム
  • 多様性とは何か?→凝り固まったリズムを崩すこと
  • いまのAIに何が足りないと思うか?→より不安定・流動的なリズム

リズムといえばハーモニーだが、そこは思考を深められていない。ただハーモニー的なものはその波形を描く対象によって何が良いと思うかがかなり異なるような印象を持つ。リズムの方が優位で、ハーモニーなるものはむしろリズムが決定づけているのではないか、と想像している。

ものづくりとリズムをつくること

仕組み化とはリズムづくりだと思う。ぼくはたぶんシステムをつくること自体、リズムをつくることなのではないかと思っているところがある。

アーキテクチャという全体構造を考え、部分最適に落ちないようにする。とはいえ範囲が広すぎれば制御しきれるわけがない。そこで考えることがリズムなのではないか。システムや仕事であれば、ワークフローのリズムを考えることだろう。リズムはシステムの表象であり、リズムを操作しようとシステムを変える。

また新しいものを作るとは、それがなんであれ、新しいリズムをつくることに他ならないのでは、という気がする。新しいリズムを考えるために、アーキテクチャのことを考えている。


初出:

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業務の仕組み化の文脈において、たびたびリズムをつくることの重要性が語られる。スプリント開発もそうだろう。ぼくはそれをよくアーキテクチャの文脈で捉えている。 アーキテクチャの指向性がつくるリズム アーキテクチャは指向性を持つ。以下でネットワークの指向性として述べたことである。 ネットワークに現れるコスト構造が、アーキテクチャの指向性、つまり構成要素やシステム全体の向かう方向性を決定づける性質を持つ。アーキテクチャを設計する観点ではその構造が持つ意志を調整することがポイントである。 このとき、アーキテクチャの指向性なるものは現実のワークフローにおいてはリズムのような形で現れると
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